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職人技が光る! 研ぎ出し黒板のヒミツ

黒板の種類

 変わらないように見える黒板世界にも、新しくグレーの黒板が登場していることは以前お伝えしましたが、昔ながらの緑色の黒板にも実は種類があります。今回は、中でも珍しい【研ぎ出し黒板】と呼ばれる黒板を紹介したいと思います。研ぎ出し黒板は、一見すると他の黒板と違いはないように見えます。しかし!それは、黒板職人の技が込められた逸品なのです。

研ぎ出し黒板とは?

 研ぎ出し黒板と聞いただけでは、どのような黒板かイメージするのは難しいと思います。私も作り方を教えてもらうまで、他の黒板との違いが分かりませんでした。ところが、実際に製作現場を見ると、とても凄いことが分かります。作業工程は多くありますが、特に水で研ぎ出しをしている作業は、研ぎ出しとはこういうことなのか!と思わず納得しました。

研ぎ出しは研ぎ過ぎると下地が出てしまうため、とても 力加減の難しい作業です。
研ぎ過ぎの状態を試してみました。地の鋼板部分が浮き出ているのが分かります。
この状態では製品としてはダメになります。

研ぎ出し黒板の製造工程

長年の経験により培われた職人技術

 黒板製作歴40年の当職人によると、研ぎ出しの難しい点は多くありますが、特にあげるならば「化粧仕上げ」だそうです。化粧液を色むらができないよう短時間でさっと塗り伸ばしながら拭き上げる必要があり、やり直しもきかないので特に神経を使うそうです。夏場は気温が高いため化粧液の乾きが速く、塗り難くなるので早朝から作業を始めます。また、上塗り塗装を均一に吹き付ける、研ぎ出しを下地が出ないような力加減で行うなど、経験年数の必要な繊細な作業が多くあり、研ぎ出し黒板を製作できる会社は現在少なくなってきているそうです。

ムラにならないように吹き付けるのが難しい上塗り塗装。この塗装作業を3回した後、乾燥させます。
夏季の化粧仕上げは気温の上がらない早朝5時から始めることもあります。最終仕上げのため特に気を使います。

研ぎ出し黒板の特徴

 研ぎ出しとは、「素材を研磨して、良い表面を磨きだす」ことです。その綺麗に整えられた黒板の表面は、使用する先生によるとチョークの書きやすさ、滑らかで柔らかな書き心地が格別だそうです。さらに、チョークは落ちやすく消しやすいという素晴らしい性能になっています。ただし研ぎ出し黒板は水に弱いので、基本として黒板消しを使用し、日常的に水拭きをするのは避けた方が良いです。

磨かれてな滑らかになった黒板は書き心地も最高です。
音楽室の上下2連式 研ぎ出し 黒板。黄色の五線が映えますね。

研ぎ出し黒板はどこで使用されているの?

 藤木工業のある福岡県では、福岡市立の小中学校、福岡県立の高等学校はすべて研ぎ出し黒板を納品しています。福岡県の方は、通っていた学校で研ぎ出し黒板を使用したことがあるかもしれませんね。完成した研ぎ出し黒板は、水に濡れるとその部分がシミのように変色してしまうので、納品時には雨に濡れないように、雨の一滴もつかないように、箱入り娘を嫁に出すように丁寧に出荷しております。

小中学校の教室正面に設置されているスライダー 研ぎ出し 曲面黒板。
上下2連式研ぎ出し黒板は理科室や音楽室などの特別教室によくあります。

このように、教室の風景の一部である黒板にも種類があることを知ると、黒板を見る目が少し変わってくる気がしませんか?手をかけて製造された黒板にちょっと興味を持ってもらえると嬉しいです。

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